俺がずっと守るから



自分でも思うけど、中身は相当腹黒いと思う。




そんな俺を見破った彩葉ちゃんだからこそ、はっきり言いたい。




正直、彩葉ちゃんは本当にバカだと思う。




彼女だって立派な名家のお嬢様だ。


信じたくなかったとしても、どこかで将来政略結婚になることくらい予想はついてただろう。




それなのに人を好きになって、おまけにその相手がボディーガードって。



使用人を好きになるだなんて、実る恋も実らない。





「うぅ、…っ、ひっく」


案の定、今彩葉ちゃんは泣いている。



我慢していたものが崩壊したかのように泣きじゃくっている。





李樹のばか、と言い続ける彼女の方こそ大バカだ。



そう思うはずなのに、そこまで彼女に想ってもらえる椎名クンが羨ましいと思う自分がいた。



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