俺がずっと守るから



「椎名のやつ、また皆月さんに話しかけたぞ」

「あいつの度胸どうなってんだよ…」



クラスの男達がコソコソ話すのが聞こえる。




今は昼休みの時間帯。


昼ご飯を食べてる彩葉ちゃんと関本さん双子と椎名クンの間に割って話しかけているんだから無理もないかもしれない。



転校初日にも同じようなことがあったからもう身に染みている。



この学校内では椎名クンは彩葉ちゃんの過保護な彼氏という設定。


それがあるから、この学校の男は必要最低限なこと以外彩葉ちゃんには話しかけることができないそうだ。




何でも、"殺される"んだとか。



それがどういう意味なのかは分からないけど、俺には通用しないから別にいい。



一応彼にとって俺は主人の婚約者だ。今朝のような牽制は出来たとしても、流石にそこまでは出来ないだろう。




「何の用?」

「用がないと来ちゃダメなの?」

「他の女の子と忙しいでしょ?わざわざ来なくていいよ」


相変わらず彩葉ちゃんは俺への対応が雑だ。



昨日はあんなに泣いてくれたのに、ね?




「ヤキモチかな?彩葉ちゃん」

「だ、から…っ、何でそうなるのよ」

「毎回その可愛い反応してくれるのが楽しくてさ」


クスリと笑う俺に彩葉ちゃんは怖くもない顔で俺を睨みつける。



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