俺がずっと守るから



その顔が割と本気でツボだったりすることは言わないでおこう。



彩葉ちゃんをからかう俺を、関本の妹ちゃんは呆れたように眺め、兄の方は椎名クンを気にしているようだった。




肝心の椎名クンは、口は出さないものの見事に不機嫌マックス。



それを見ていた周りのクラスメイトは驚いていた。


「椎名が手を出さない」と。




これが普通の男なら今頃きっと思いっきり牽制しているんだろうが、彼はそれをしない。いや、出来ないんだ。


俺が彼女の婚約者と理解しているから。




けど、それはあくまで俺が彼女に触れていないから耐えているだけであって。




「それにしても彩葉ちゃんって髪綺麗だよねー」



俺が彩葉ちゃんに触れようものなら。




─────ガシッ


…ほら、やっぱり。




「彩葉に触るな」



彼は、相手が誰であろうと牽制する。





「クスッ、手厳しいなー。髪触ろうとしただけなのに」


掴まれた手を離されると、それをヒラヒラさせながら苦笑した。




あー怖い。


厄介だな、このボディーガード。



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