あの日の約束を、君ともう一度




「な、なんでここにいるの...?」





「そりゃ俺がここの生徒だからだろ」





え、ここの生徒?




なにそれ初知り。




「ここから推薦が来たんだよ。」




...そういうことか。




つまり眞鍋依月はバスケ推薦で入ったってこと。




─────羨ましい。




私だって貰える予定だったのに。




中2の時、先輩を推薦するために部活に訪れた桜丘高校女子バスケ部顧問の先生に、私を来年推薦したいと言われた。





それは私にとってなによりも嬉しいことだった。





だって、中1から入りたいと思っていた高校に、推薦してもらえるのだから。





絶対にバスケで入ります、私は先生にそう言った。





けど、入れなかった。




私は入れなかったのに、眞鍋依月は入れてる。




私だって、怪我をしなければ─────.....。





なに考えてるんだろう。




怪我をしなければ、なんてもう遅いのに。




治らないのに。





私はもうバスケなんて出来ないのに。




そう思うと自然と涙が出てくる。




「.....なぁ、染谷はもうバスケやらないのか?なんで去年来なかったんだよ?」




「...っ」




“やらない”んじゃない。





“やれない”んだよ。




そんなこと、眞鍋には言えなかった。



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