あの日の約束を、君ともう一度
「.....ごめん、急に怒鳴っちゃって。」
なにやってるんだろう私。
最初は全然やる気なんてなかったのに、バスケを見たら、また関わりたいと思うなんて。
それで、なにも悪くない依月を怒鳴りつけてしまった。
依月は私を心配してくれただけなのに。
「染谷が謝ることなんてない。俺こそごめんな?勝手に決めつけて。」
依月は優しい。
こんなに怒鳴り散らした私の手を、依月は1度も離さなかった。
「.......帰るか」
そう言って、また依月は私の手を引いて歩き出す。
依月は、どうして私を送ってくれるの?
どうして私の手を握ってるの?
それは、もう暗いから?
それとも─────.....。
──────そんなことあるわけない。
なに馬鹿なこと考えてるんだろう。
依月が私を送ってくれるのも、手を握ってるのも、夜道で危ないから。
きっと、それだけのこと。