あの日の約束を、君ともう一度






「.....ごめん、急に怒鳴っちゃって。」







なにやってるんだろう私。






最初は全然やる気なんてなかったのに、バスケを見たら、また関わりたいと思うなんて。







それで、なにも悪くない依月を怒鳴りつけてしまった。







依月は私を心配してくれただけなのに。







「染谷が謝ることなんてない。俺こそごめんな?勝手に決めつけて。」







依月は優しい。






こんなに怒鳴り散らした私の手を、依月は1度も離さなかった。







「.......帰るか」







そう言って、また依月は私の手を引いて歩き出す。







依月は、どうして私を送ってくれるの?







どうして私の手を握ってるの?







それは、もう暗いから?







それとも─────.....。








──────そんなことあるわけない。








なに馬鹿なこと考えてるんだろう。







依月が私を送ってくれるのも、手を握ってるのも、夜道で危ないから。







きっと、それだけのこと。






< 130 / 166 >

この作品をシェア

pagetop