あの日の約束を、君ともう一度
「染谷?」
「!なに?.....って、もう家か」
依月に急に名前を呼ばれて、下を向いていた顔を上げる。
目の前には私の家があった。
依月は何か言いたそうな顔をしていたけれど、何も言わなかった。
「じゃあまた明日な」
それだけ言って、駅に戻っていく。
そんな依月から目を離し、玄関のドアを開ける。
「おかえり沙耶香」
「...」
お母さんは今まで通り、笑顔で「おかえり」と言ってくれるけど、私はその言葉を無視して階段を上った。