あの日の約束を、君ともう一度
「明日大会だなー」
「そうだね。」
明日は大会。
インターハイをかけた、大事な大会だ。
ここ桜丘が、初戦で負けるとは思えない。
けど、なにがあるかわからない。
「...俺、出れるかわかんねぇけど、出れたら頑張るわ。」
依月は真っ直ぐ前を向いてそう言った。
強い瞳からは、“出れたら”なんて気持ちはないんだと分かる。
きっと“出れたら”じゃない。
“出る”んだ。
きっと依月は自分が出るつもりで、その言葉を言ったんだ。
それは自分の力を過信しているとかじゃなくて本気で。
そのために依月は人一倍練習してきたんだから。