あの日の約束を、君ともう一度




電車に乗って、降りて。




そんな私を気に止める人なんていない。




それと同じように、私がバスケをできなくなったことは、世界中の人にはあまり関係がない。




私の中学の人しか知らないだろう。





なぜか無性にさみしくなって、瞳に涙が滲んだ。





10分ほど歩いて着いたコート。





そこには、男の子が一人いた。





小学校の高学年か、中学生。





それくらいの男の子は、一生懸命シュートを打っていた。





10本打って、2本しか入らない。





男の子は、あまり上手とは言えなかった。





それでも一生懸命練習していて。





フリースローを打ったり、レイアップをしたり。





私も最初はあんなだったな、なんて考える。





上手くなくても、桜丘高校でバスケができなくてもいいから、バスケを失いたくなかったな...。


< 18 / 166 >

この作品をシェア

pagetop