あの日の約束を、君ともう一度
電車に乗って、降りて。
そんな私を気に止める人なんていない。
それと同じように、私がバスケをできなくなったことは、世界中の人にはあまり関係がない。
私の中学の人しか知らないだろう。
なぜか無性にさみしくなって、瞳に涙が滲んだ。
10分ほど歩いて着いたコート。
そこには、男の子が一人いた。
小学校の高学年か、中学生。
それくらいの男の子は、一生懸命シュートを打っていた。
10本打って、2本しか入らない。
男の子は、あまり上手とは言えなかった。
それでも一生懸命練習していて。
フリースローを打ったり、レイアップをしたり。
私も最初はあんなだったな、なんて考える。
上手くなくても、桜丘高校でバスケができなくてもいいから、バスケを失いたくなかったな...。