あの日の約束を、君ともう一度
私の問いかけに、皐月の表情が曇った。
.....私、何がいけないことでも聞いちゃったのかな。
「そうだよ。眞鍋依月は俺の兄貴だ。」
「そっか.......。ねぇ、バスケ見せてよ。」
「俺、兄貴みたいに上手くできないから嫌だ。」
その言葉で、全てがわかった気がした。
眞鍋依月は、バスケはすごく上手い。
周りとはもう格が違うほどに。
そんな依月と、ずっと皐月は比べられてきたのかもしれない。
「いいよ。バスケが見れるならなんでも。」
「...ほんとにバスケが好きなんだな。」
「好き、だよ。大好きだよ。今でも、ずっと。.........そうだ、私が皐月に教えてあげるよ!」
私の言葉に、皐月にぱあっと笑顔がうかんだ。
その笑顔が、シュートを決めた時の依月にそっくりで。
なぜか胸が締め付けられた。