あの日の約束を、君ともう一度
3
───結局、今日も私はコートに足を運ぶ。
「染谷.....!!」
「...っ皐月.......」
皐月の私を呼ぶ声が衣月に似ていて、ビクッと肩が揺れた。
.....ほんとに心臓飛び出るかと思った。
絶対心拍数上がったよ今!!!
「よかった...。もう、来てくれないかと思った」
弱々しく笑った皐月を見て、泣きそうになる。
「...ごめんね。」
「いや、来てくれたからいいよ!それに、別に来ないといけないわけじゃねぇしな!」
皐月は眉を八の字にして笑った。
「皐月.....」
“出来るだけ毎日来るよ”
私の繋ごうとした言葉は、掻き消された。
「皐月ー!!今日は父さんが帰ってくるから行くなって言ったろー!」
「...っあ、兄貴!」
「え...っ!?」
兄貴って、い、衣月のことだよね!?
「おい皐月!...って、なんでお前がいんだよ。」
声のトーンが低くなった衣月。
そんなに私のこと嫌い?
私がバスケを辞めたことがそんなに気に食わない?
でもさ、仕方ないじゃん。
────もう出来ないんだから。