あの日の約束を、君ともう一度
「は...?どういう事だよ」
衣月の眉間にシワがよる。
私はゆっくりと、皐月の手を右手で離した。
「...」
早く、帰りたい。
この場からいなくなりたい。
皐月と衣月から離れたい。
「黙ってないでなんとか言えよ!」
衣月の声に、体がビクッと跳ねる。
「あ、兄貴、落ち着けって。」
皐月が宥めようとしているけれど、それは全く意味を持たなかった。
本当のことを話すべきなの?
それともまた嘘をつく?
嘘をつくとしたら、なんて言うの?
頭が働かない。
頭の中がぐちゃぐちゃになっていく。
複雑に絡み合った糸は、解けない。