あの日の約束を、君ともう一度




それでも、中学でバスケ部に入ったのは、俺にはそれしかできないと思ったから。





本当はバスケ部に入るつもりはなかった。





でも運動部にはなりたくて。





結局、バスケ部に入った。





元々兄貴が通っていた中学。





それは、俺と兄貴を比べるには最適だった。






『え、衣月先輩の弟なの!?ってことは皐月もバスケめっちゃ上手いんじゃね!?』






先輩はみんなこう言った。






入部したての五月。





俺はもう部活が嫌いになった。





嫌いなものばかり。





兄貴も、バスケも、部活も。





全部全部兄貴のせいだ。





そう思って、自分を保った。





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