あの日の約束を、君ともう一度

結局、バスケを嫌いになりきれてなかった。





結局、兄貴を嫌いになりきれてなかった。





結局、自分を嫌いになりきれてなかった。





─────もっと上手くなりたいって思ってた。





心の奥にあった感情が、このコートに来たことであらわになった。




どんなに自主練しても、バスケは上手くならなくて。





やっぱり俺には無理なんだ、そう諦めた日。





──────染谷がコートに来た。





染谷に指摘されたところを治すだけで、今まで全然入らなかったシュートが決まるようになった。





部活でも褒められた。





『やっぱり衣月の弟なだけあるな！皐月も才能あるわ！』






そう言われて、舞い上がった。