あの日の約束を、君ともう一度
腕神経叢損傷(わんしんけいそうそんしょう)。
あの日、中学3年になってすぐ私に伝えられた言葉。
それは私がバスケをする未来をなくした。
腕神経叢損傷は、腕や手が動かなくなる怪我だ。
治るものもあるけれど、私の怪我は治らないと言われた。
それは、バスケには致命的な怪我だった。
私は左腕が、肩から動かない。
人のもののようにぶら下がった私の左腕。
かつて、たくさんのパスを出し、ドリブルを行い、シュートを決めてきた私の左腕。
なんで。どうして。
枯れるほど泣いた。
中学にも行かなくなった。
バスケのものはすべて捨てた。
エナメルも、バスケットボールも、バッシュも、全部。
バスケの雑誌と写真は、全部ダンボールに詰めて、クローゼットの中にしまった。
もうバスケなんて見たくない。聞きたくない。
辛くて、辛くて仕方なかった。