あの日の約束を、君ともう一度
2
「...河合?」
よく聞くその声に、肩がビクッと揺れる。
なんでここにいるの...?
だって、この時間は部活でしょ?
どうして...。
「...染谷」
莉花の名前を呼んだときよりも低い声。
そう呼ばれるように、嫌われるようにしたのは私自身なのに、ひどく傷ついている自分がいる。
「...っ、莉花ごめん!」
私は抱きしめてくれている莉花を、ドンッと強く押した。
「ごめんね、ありがと」
それだけ言って、走った。
─────いや、走り出そうとした。
「染谷ってほんと最低なんだな」
ギュッと心臓を掴まれているような感覚になる。
そして、自然と足が止まった。
「そうやって、河合のことを傷つけんなよ。」
なんで伊月にそんなことを言われないといけないの?
「真鍋!私はさやに傷つけられてない!」
莉花の声が遠く聞こえる。