あの日の約束を、君ともう一度
さやは今日、初めて私の前で泣いた。
『もっとバスケがしたかった』
泣きながらそう言ったさや。
さやがどれだけバスケが好きだったのか、知っていた。
バスケをしている時のさやは、いつでも笑っていて。
もしチームのメンバーがミスをしても、さやは笑ってた。
笑って、『大丈夫!次頑張ろ!』そう言って、励ましていた。
そんなさやに、私は何が出来る?
そんなさやを、バスケをしている時のような笑顔に、私ができるの?
さやがもうバスケできないなんて、きっとさや自身が1番分かってる。
きっと、今までだって泣きたかったはずなのに、今までさやは泣かなかった。
それは全部、私や周りの人に気を遣わせないため。
私はそう思う。
さやは誰よりも優しいから。
今までずっと、さやは私たちのために我慢していた。
今までずっと、さやは頑張っていた。
だから今度は私の番。
私がさやを助ける。
私が、さやを笑顔にするんだ────。