あの日の約束を、君ともう一度
「そ、それは、ほら、借り物だし!」
なにこの苦しい言い訳。
「...借り物なら、家に置いておけばいいじゃない。付けていた方が汚れるでしょ。」
冷静なツッコミ、ありがとう。
なんて言っている暇はなくて。
「バスケが好きだから、あの大会の約束を忘れられないんじゃないの?だからそれを外せないんじゃないの?」
莉花の言葉に返す言葉が見つからない。
その通りだ。
私はあの日の約束を忘れることは出来なかった。
もう守れない約束。
私が破ってしまった約束。
彼の連絡先を知らなくて、まだなにも言えてない。
きっと私がいないことを不思議に思っただろう。
だって、私の学校は優勝しているのだから。
部員は全員会場に行った。
行かなかったのは私だけだった。
謝っても謝りきれない。
「.....莉花には分からないでしょ?」
思ってもないことが次々と言葉になっていく。
これ以上言ったら莉花を傷つけてしまう。
分かっているのに止まらない。