あの日の約束を、君ともう一度
その後に行った部活では、予想通り先輩に怒られた。
これからは赤点なんて絶対取らないようにしよう。
そう心に誓った。
次の日、いつもと同じように俺は教室にいた。
「なぁなぁ依月!」
こいつは石山元稀(いしやまげんき)。
高校入学後に知り合った友達だ。
「なぁ依月!聞いてるか!?」
まあただのうるさいやつ。
だがバスケは上手い。
県の準優勝チームの元エースだ。
「おい依月!」
「...なんだよ」
俺は渋々元稀の顔を見た。
「あのな、普通科のダチに聞いたんだけど、あの三好中(みよし)女バスの元キャプテンがいるんだろ!?」
三好中。
それは県の女子優勝校。
すなわち、染谷の中学だ。
そしてきっと、元稀の言っている元キャプテンは染谷の事だろう。