あの日の約束を、君ともう一度
「俺の同中のやつが普通科にいるんだけど、あいつ左腕が動かねぇらしいんだよ。」
声を潜めて言った元稀の言葉に、息を呑む。
“左腕が動かない”?
いや、そんなはずない。
俺と話す時だって普通に.....。
──────いや、あいつは1回も左腕を使っていない。
皐月に左腕を掴まれた時も、俺に右腕を掴まれた時も、全部使ってない。
「...それ本当のことか?」
「あぁ。染谷と同じクラスのダチが言ってたから本当だぜ。」
もしかして染谷が“飽きた”って言ったのは嘘だったのか?
本当は“出来ない”?