あの日の約束を、君ともう一度





「なぁ、染谷の腕が動かなくなったのっていつごろの話だ?」






「さぁ...。そこまでは知らねぇけど、最初の自己紹介で、左腕が動かないって言ったらしいんだよ。」






最初の自己紹介で...?






じゃあ、中学の頃には動かなくなってたってことか?






「なんだよ依月。その染谷ってやつと知り合いなのか?」






「あぁ、まぁ知り合いかな。」






染谷の腕が中3の総体前に動かなくなったとしたら。






俺は知らないうちに染谷のことを傷つけていた?






「くそ...っ」





俺はガタッと席を立つ。






そんな俺に、元稀が驚いたように俺を見た。






「依月どうしたんだよ!?」






俺が教室のドアに手をかけた瞬間、チャイムが鳴り響く。






俺は苛立ちを隠せないまま、席についた。








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