あの日の約束を、君ともう一度
昼休み、俺は普通科に向かって歩いていた。
体育科と普通科では校舎が違う。
普通科は旧校舎、体育科は新校舎だ。
途中で会ったバスケ部の友達に、染谷のクラスを聞き、そのクラスに行く。
1-Gと書かれた教室の中を見る。
そこには、河合ともう一人の女子と弁当を食べている染谷がいた。
その染谷は左腕を使っていなかった。
「...染谷」
俺が染谷を呼ぶと、河合たちもこっちを見てきた。
俺と目が合った染谷は、目を見開いてから弁当を片付け、俺の元に来た。
「なに?」
────また、辛そうな顔。
「話があるんだけど」
染谷は、わかった、とだけ言って教室から出て歩き出した。
俺も黙って染谷についていく。
ついたところは、人気のない階段の踊り場だった。