霊感彼氏。
告白とオカルト
ここ数日のこと。
あたしは原因不明の怪奇現象に悩まされ続けていた。
ガタガタガタガタ……
「ああ、またラップ音が!」
ガシャン、ガシャン!
「ああっ、本日三回めのポルターガイスト!!」
ずきずきと激しく重い頭痛が止まない。
何なんだこの嫌がらせまがいの心霊現象は……!
そのときあたしのケータイが鳴った。
友達からの電話。
そこはかとなく、嫌な予感がする。
「も、もしもし」
『ねえねえ美加、今まだ街いる?』
「あたし、今日はずっと家にいるけど」
『え?だってさっきそこで会ったよね……?』
「……ド、ドッペルゲンガー!!!」
あたしはすばやく電話を切った。
そして目にもとまらぬ早業で布団を頭からすっぽりとかぶった。
しかしながら、無情にも小刻みなラップ音や皿の割れる音などは消えることなく鳴り響いている。
もうイヤだ! 耐えられない!
何であたしがこんな目に遭わないといけないのよ!!
――そう。
諸悪の根元は、一週間前のことだった。