霊感彼氏。


「おはよっ、美加!」

「おはよう……」


翌朝のあたしはかなりやつれていた。


あのあと。

気が付いたら朝で、どうやらあたしはリビングで一夜を過ごしたようだった。


おかげで体中至る所がきしきしと痛む。


学校に出てきたはいいものの、憂鬱だ。

そんなあたしの憂鬱を晴らしてくれたのは……。



「おはよ」



きらきらのゆるゆるスマイルでそう言ってくる彼だった。

あたしは途端に姿勢を正してうしろを振り返る。


友達のマキがあたしと彼を交互に見つめて、大きな目をパチパチとさせていた。


「え!? 何、つき合ってんのあんたら!」

「う、うん……」

「はァ!?!?」


いつの間にー!

とマキがあたしの胸ぐらを掴んで手加減なしに揺すった。


そんなことにおかまいなく、彼が言う。


「美加。ハナシある」



その瞬間、マキの手がぱっと放された。

あたしが視線を向けると、にやりと笑っている。



「あらあらごめんなさい!あたしお邪魔だね。二人で朝から存分にイチャついてきなさいっ!」

「い、いちゃ「ばいばーい!!」


いちゃつくなんて!

というあたしの言葉も聞き終えぬうちに、マキは疾風のごとく去っていった。


残されたあたしは彼を見上げる。

あのふんわりとした緩い笑みを浮かべて、彼はあたしの手をひいた。



ちょ、今から授業だけど……。


どこ行くのーーー!?

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