だから、君が嫌いだ【短編】
「時雨に好きって言ってもらえる麻婆豆腐に嫉妬した。
私だって、食べ物に嫉妬させる彼氏なんか嫌いだよ」
この言葉の意味くらい、哲学的思考のなんちゃらかんちゃら、なんて本が読める頭のいい時雨なら、わかるだろ?
「っ!」
時雨の顔が赤く染まっていく。
今日だけで時雨の新しい表情をたくさん見た気がする。
「………麻婆豆腐の2.5倍、好き」
「なにが?」
今まで散々冷たくされてきたんだ。
ちょっとくらい、いじわるしたっていいよね。
「おまえ、ほんっとむかつく」
「へえ、私は時雨が好きだよ」
「あやのことが、………やっぱ嫌いだ!」
「ぶはっ!結局それかよ。
まあ待ってるから、たまには一緒に帰ったりしようよ」
私は時雨のそういう不器用なところも結構好きだったりするからさ。
ファーストキスは激辛の麻婆豆腐味。
なら、いつになるやらわからないセカンドキスは、とびきり甘いものにしよう。
なんて、恥ずかしいけど。
いつか、素直になれた時、言えたらいいな、二人とも。
そっと心の中で呟いた。
私だって、食べ物に嫉妬させる彼氏なんか嫌いだよ」
この言葉の意味くらい、哲学的思考のなんちゃらかんちゃら、なんて本が読める頭のいい時雨なら、わかるだろ?
「っ!」
時雨の顔が赤く染まっていく。
今日だけで時雨の新しい表情をたくさん見た気がする。
「………麻婆豆腐の2.5倍、好き」
「なにが?」
今まで散々冷たくされてきたんだ。
ちょっとくらい、いじわるしたっていいよね。
「おまえ、ほんっとむかつく」
「へえ、私は時雨が好きだよ」
「あやのことが、………やっぱ嫌いだ!」
「ぶはっ!結局それかよ。
まあ待ってるから、たまには一緒に帰ったりしようよ」
私は時雨のそういう不器用なところも結構好きだったりするからさ。
ファーストキスは激辛の麻婆豆腐味。
なら、いつになるやらわからないセカンドキスは、とびきり甘いものにしよう。
なんて、恥ずかしいけど。
いつか、素直になれた時、言えたらいいな、二人とも。
そっと心の中で呟いた。