だから、君が嫌いだ【短編】
いつからそんな健気な乙女みたいなやつになったんだよ私!
似合わねーぞ私!
「つーかおい時雨、お前私の愛の告白さらっと流してんじゃねーよ!」
「なんのこと?」
ふわっと猫っ毛を揺らして首を傾げ、今日初めて私と目を合わせた時雨は、本当に覚えてないようだった。
「ええ、まあそうだろうとは思っていたけれども」
ガックリと項垂れて、時雨のベッドに寝転ぶ。
「は?なに勝手に」
時雨は不服そうな顔をしたけれど、突然言葉を途切らせたと思いきやいきなり立ち上がって部屋から出て行ってしまった。
しかも、ドアを閉める前に丁寧にため息をひとつついて。
「そんなに、嫌いかよ……」
さっきまで聞こえていた、ページをめくる音。
それがなくなっただけで、なぜか虚しくなって、思わず本音がこぼれた。
だけど、違う。
時雨はなにも悪くない。
それだけは、明確で揺るがない事実だ。
だって、最初から私の独りよがりな関係だから。
似合わねーぞ私!
「つーかおい時雨、お前私の愛の告白さらっと流してんじゃねーよ!」
「なんのこと?」
ふわっと猫っ毛を揺らして首を傾げ、今日初めて私と目を合わせた時雨は、本当に覚えてないようだった。
「ええ、まあそうだろうとは思っていたけれども」
ガックリと項垂れて、時雨のベッドに寝転ぶ。
「は?なに勝手に」
時雨は不服そうな顔をしたけれど、突然言葉を途切らせたと思いきやいきなり立ち上がって部屋から出て行ってしまった。
しかも、ドアを閉める前に丁寧にため息をひとつついて。
「そんなに、嫌いかよ……」
さっきまで聞こえていた、ページをめくる音。
それがなくなっただけで、なぜか虚しくなって、思わず本音がこぼれた。
だけど、違う。
時雨はなにも悪くない。
それだけは、明確で揺るがない事実だ。
だって、最初から私の独りよがりな関係だから。