だから、君が嫌いだ【短編】
「いつも能天気だし、なんかムカつくし、読書の邪魔するし、ムダに話しかけてくるし、表情筋がどうのこうのばっか言うし、口調は男のくせにすぐ泣くし、辛いの嫌いだし!」
時雨は俯いてしまって、顔が見えない。
だから私も俯いて、落ちてしまった麻婆豆腐を見つめる。
「なにも考えてないみたいに部屋入ってくるし、ベッドに寝たりするし、信じらんないほど無防備だし、恥ずかしい事平気で言うし」
貶されて、るんだよな?
貶されてるはずなのに、なぜか時雨の声に優しさを感じて、またブラウスの心臓あたりを握った。
「近くにいたら心臓痛くなるし、いちいち気になるし、イライラするし、だから、お前なんか嫌いだ!」
ポロっと左目から涙が落ちた。
顔を上げると、同じく顔を上げた時雨と目が合った。
「だあ、もう!だからなんで泣くん」
「あのさ、時雨」
時雨の言葉を遮る。
「私、麻婆豆腐に嫉妬したよ」
「は………?」
時雨の顔から、表情が消えていく。
絶対またバカだと思われた。でもいい。
今は、それよりももっと言いたい事があるから。
時雨は俯いてしまって、顔が見えない。
だから私も俯いて、落ちてしまった麻婆豆腐を見つめる。
「なにも考えてないみたいに部屋入ってくるし、ベッドに寝たりするし、信じらんないほど無防備だし、恥ずかしい事平気で言うし」
貶されて、るんだよな?
貶されてるはずなのに、なぜか時雨の声に優しさを感じて、またブラウスの心臓あたりを握った。
「近くにいたら心臓痛くなるし、いちいち気になるし、イライラするし、だから、お前なんか嫌いだ!」
ポロっと左目から涙が落ちた。
顔を上げると、同じく顔を上げた時雨と目が合った。
「だあ、もう!だからなんで泣くん」
「あのさ、時雨」
時雨の言葉を遮る。
「私、麻婆豆腐に嫉妬したよ」
「は………?」
時雨の顔から、表情が消えていく。
絶対またバカだと思われた。でもいい。
今は、それよりももっと言いたい事があるから。