私が行かないでって言ったら、君はここにいてくれますか?
「え?・・・・・何が?」



すると弘人が顔だけこっちに向けて言った。



「分かってるよ。大樹君に告白したんでしょ?」



え?



なんで?



「・・・・なんで、それ知ってるの?」



「それは別にいいじゃん。ともかく、告白出来て良かったじゃん。スッキリしたでしょ?恋ちゃんとも仲良くなって、大樹君にも決着付けられて。恋は実らなかったけど、満足した感じ?うん。いいと思う。」



ものすごいスピードで話す弘人。



私が話そうとしても止まってくれない。



「ちょっ、弘人?」



「それを俺に言おうとしたんでしょ?良かったじゃん。伝えられて。ますます2人と仲良くなって。」



違う、違う。



私が言いたかったことはそれじゃない。



「違う!私が言いたかったのは、」



「何が違うんだよ!!」



大声でそう言って立ち上がる。



こんな弘人初めて見た。



私は怖くなってその場から立ち上がれなかった。



え?



・・・・・・・なに?



「違くないだろ!?ずっと好きだった大樹君に告白出来て、ずっと言いたいこと言えたんだろ!?・・・・・なら、それでいいんじゃないの?」



弘人は下を向きながらそう言った。



< 123 / 176 >

この作品をシェア

pagetop