私が行かないでって言ったら、君はここにいてくれますか?
ずっと俺の方を向いてくれる。



いつか俺を好きになる。



そんなこと思ってた自分が恥ずかしい。



俺が告白しようと、相談に乗ろうと、志帆の気持ちはずっと変わらなかった。



少しでも傾くと思っていた自分がバカだった。



・・・・・・・・苦しい。



初めて、志帆が好きなことを苦しいと思った。



俺がどれだけ努力しても無理なものは無理なんだよ。



無我夢中で走って、いつの間にか駅までついていた。



俺はいつものようにバスに乗る。



このバスからは志帆のいる病院が見える。



でも、今日は見たくなくて、俺は下を向いて目を閉じた。



こんなに苦しい思いをするなら、好きになんてならなければ良かった。



早く、



消えろ。



志帆を好きな気持ちなんて、



なくなれ。



ぎゅっと自分のシャツを握りしめる。









この事があってから、俺は志帆のところへ行かなくなった。



大樹君や恋ちゃんも行ってるみたいだし、別に俺が行かなくてもいいと思った。



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