私が行かないでって言ったら、君はここにいてくれますか?
でも、変わらずノートだけは送っていた。



急に辞めるのもおかしいと思ったし。



ただ、それだけ。



でも、やっぱり急に行かなくなるのはおかしくて、会えないかと志帆から連絡が来た。



俺の心はずっと苦しいままだったけど、結局行くことにした。



恋ちゃんにも志帆が心配してるって言われたから、行かないわけに行かない。



病院に着くと、屋上にいると連絡が来た。



扉を開けると、フェンスに手をかけて外を見ている志帆の姿。



どんなに苦しい思いをしても、諦めようとしても、志帆が好きって気持ちは変わらないんだな。



風が冷たいのに志帆は薄着で、心配になった俺は志帆に自分のシャツを掛けた。



俺に気づいた志帆が後ろを振り返る。



入院してても、変わらない笑顔。



ずるいよな。



本当に。



志帆からは、助けてくれてありがとうと何度も言われた。



素直に嬉しかった。



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