私が行かないでって言ったら、君はここにいてくれますか?
頭を俺の肩に付けて、声を抑えながら泣いている。



あーあ、好きなやつを最初から泣かせてどうすんだよ。



俺、本当に志帆に泣かれるのが1番焦るんだ。




いつもしっかりしている分、泣いてるのを見たら儚くて、消えてしまいそうって思ってしまう。



だからそっと、志帆の髪に触れた。



そして、優しく頭を撫でた。




あれ?



こんなに、志帆小さかったっけ?




入院して痩せて、身長があっても小さく感じる。



そんな志帆を自分の方に引き寄せて言う。



「・・・・・志帆。ありがとう。俺を好きになってくれて。」



そっと志帆の耳元で呟く。



志帆は顔を横に振る。



「私の方こそ・・・・ずっと、好きでいてくれて、ありがとっ。」



志帆が顔を上げて笑った。



泣いたから目と頬が赤くなっている。



そして、



そっと志帆の唇にキスを落とした。



少しだけ震える唇。



ちょっとだけ触れるキスを何回か落とした。



唇を離すと、志帆がゆっくりと目を開ける。



少し潤んだ瞳が俺を見てる。



それだけで胸がキュッとなる。



俺は照れ隠しで志帆のマフラーを直した。



「・・・・・・凄く嬉しくて、私、倒れちゃうかも。」



「縁起でもないこと言うなよ。また入院なんて俺はゴメンだからな。」



こんなこと言ってるけど、嬉しくて倒れそうなんていう志帆が可愛すぎて、




顔が赤くなった自分を見られたくなくて、素っ気なく答えた。

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