私が行かないでって言ったら、君はここにいてくれますか?
「志帆っ!」



目の前から弘人が手を上げて走ってくる。



私も手を振り返した。




走ってくる姿もかっこいいなんて、私らしくないことを思ってる気がする。



「ごめん、遅くなって。」



「ううん。私が早く来すぎた。」



「楽しみすぎて?」



「うん。そーだよ。」



さり気なく言った言葉に、話してから恥ずかしくなってしまった。



「言ってから照れんのかい。」



「だって!!・・・・・・もう!!ほら、行こっ!!」




完全に照れ隠し。



慣れないことするからだな、、、




そんな私を見て弘人は笑いながら私の隣を歩く。




大きな通りに出ると、クリスマスイブだから人も多くて歩きずらい。



「志帆、はい。」



そう言われて手を差し出す。



私はそっと弘人の手に自分の手を重ねた。



「冷たっ!!冷え性?」



「うん。ごめん。弘人の手はあったかいね。」



「まぁ、ちょうどいいんじゃない?繋げば。」



いちいち弘人の言葉にキュンとしてしまうのは、私が弘人のことがそれぐらい好きってこと。



付き合ってから思ったけど、本当に弘人はかっこいい。



見た目じゃなくて、心が。



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