私が行かないでって言ったら、君はここにいてくれますか?
私は、ちゃんと弘人の期待に答えられているのかな。



「志帆?大丈夫?」



「あっ、うん!で、どこ行くの?」



「まずは水族館行こうかなーって思ってた。街中の人ごみ苦手だから。」



「それ私もー。水族館ならまだ空いてるかもね。」




駅からすぐ近くにある水族館まで、二人で歩く。



いつもは家族とか、友達と来てたけど、今日は同じ場所なのに違うところに来たみたい。



水族館に着くと、家族連れが多くいた。



カップルもまぁ、いるけど。



「高校生2人で。」



チケットを払おうとすると、スッと弘人の手が伸びてきて首を振った。



「いいよ。俺が払うから。」



「えっ!?でも悪いよ。」



「いいのー。女子らしく奢られてて。」



そう言って2人分払った弘人。



女の子らしくって、私女の子っぽくないかな?



「・・・・・もしかして、今の気にしてる?」



「えっ!?いや、ううん。」



「俺が払いたかったから言ったことだよ。充分志帆は女の子だから。」




そう言って私の頭に手を乗せて優しく撫でる。



私は恥ずかしくなって、下を向いた。



それを見て弘人がまた笑う。



「ほら、行こっ。」


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