私が行かないでって言ったら、君はここにいてくれますか?
「はぁーーーー。もう、終わっちゃうのか。私の恋も。・・・・・・何も言えずに、儚く散って。」




恋どころか、私の良心まで廃れていく。




いつからこんなに独り言でも性格悪くなったんだろう。




言っては落ち込み、言っては落ち込みの繰り返し。



窓の外からは蒸し暑い風が吹いて、野球部のバットで打つ音と、テニス部の掛け声が聞こえる。



あぁ、今日部活休みで良かった。




気分が全然乗らないし。




何もしたくないし。




悲しいのか、自分に苛立ってるのか、嫉妬してるのか。



気持ちがぐちゃぐちゃで自分でもどうしたらいいのか分からない。



本当はね、大樹に言いたいんだよ。




私の方が大樹のこと好きだし。




こっち向けよ!



って言いたい。



でも、それを言ったら大樹は困惑しちゃうし。



今の関係が崩れるし。



第一、大樹は恋のことが好きなんだから。




もう考えるのやめよう。




もっと自分のことが嫌いになりそう。




私は1人でボーッと外を眺めた。




「誰か、・・・・・助けて。」




そうは言っても助けてくれる人なんていない。




私の独り言は誰もいない教室に消えた。


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