私が行かないでって言ったら、君はここにいてくれますか?
でも俺のもどかしさなんてちっぽけなものだ。



志帆がもどかしく思う相手は、親友なんだから。



好きと言えない苦しみ、親友に嫉妬してしまう自分が醜いと感じること、二人のことを思う優しさ。



聞いているだけでも悲しいのに、志帆は一切涙を見せなかった。



もう、泣くのを忘れるほどの思いなのか?




泣いていいんだよとは言えなかった。




志帆が・・・・・・・・決意した目をしていたから。



そして歩けない志帆をおぶって集合場所に戻ろうとするけど、明らかに熱い。



もしかしてと思ったけどやっぱり熱があった。




俺は揺らさないように気をつけながら急いで向かう。



色々溜め込みすぎなんだよ!




って思った。




俺に言えよ。




2人に言えなかったら俺を頼ってよ。




そう思った。




それと同時に、・・・・・・俺を好きになってよ。




そういう思いもあった。




先生に言って急いで地元の病院に向かう。




症状は風邪だった。




先生が志帆のお母さんと話しる間、俺は志帆のそばにいた。




「もう、傷つかないで、、、お願いだから。」





そう1人で呟いた。




志帆が目を覚ますと、ずっと緊張していたのか肩の力が抜けた。


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