私が行かないでって言ったら、君はここにいてくれますか?
ここでも志帆が泣くことはなかった。




逆に俺が泣きそうになったけどな。




でも、今の俺じゃあ志帆を助けられる自信がない。




だから、もっと志帆のことを知って、隣にいて、志帆を助けてやりたい。




だから、俺も志帆への想いを隠すよ。




君が大樹君を好きなら、俺は応援するしかない。




本当に、どっちも不可能な恋してさー。




だけど、




俺は志帆みたいにいい子じゃないから。




少しの希望を信じて、花火に誘ったんだ。




ごめん。




志帆はいいよって言って、浴衣を着るのかどうか聞いてきた。




恥ずかしそうに聞く志帆が何より可愛くて、抱きしめたくなった。







もし、神様がいるのなら、



祭りの日ぐらい、俺に夢を見させてください。



志帆と花火を見る。



それだけでいいから。



隣に座ってるだけでいいから。





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