私が行かないでって言ったら、君はここにいてくれますか?
せっかく誘ってくれたのに、こんなこと思っちゃダメだ!!



私は待ち合わせの時計台の下で待つ。



弘人が浴衣来てくるって言ってたから、浴衣を着た男の人を目で探す。



「志帆!!」



突然名前を呼ばれて私は後ろを振り向く。



「あっ!弘人ー!」



弘人は私に手を振っている。



「お待たせ。時間ぴったり?」



「うん。ぴったり!っていうか、後ろ姿でよく私だって分かったね。」



「・・・・うん。好きな人の姿なら後ろからでも分かるよ。」



「え?最後の方なんて言った?」



「ううん。内緒ー!ほら、行こう。」



弘人に聞き返すけど上手くはぐらかされて、弘人が歩く。



後ろから見るけど、弘人って浴衣着ると大人っぽい・・・・・・



初めて会ったときも思ったけど、スタイルいいし、長身だからなんでも似合うんだなー。



「志帆ー?そんなに見られると緊張するんだけど。」



弘人が立ち止まって私の方を見る。



「うわぁ!!ご、ごめん!なんか、大人っぽいなって思って・・・」



「本当?ありがとう。・・・・志帆もいつもより可愛いよ。」


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