私が行かないでって言ったら、君はここにいてくれますか?
「だからいいって。・・・・じゃあ、あれ一緒にやろ!」



そう言って水風船を指さす。



「志帆競走しようよ。」



と、ドヤ顔の弘人。



私は負けじと言い返した。



「やってやろうじゃん!!」



「よし!そうこなきゃ!・・・・おじさん、一回!」



「はいよ!」



そう言って引っ掛ける針が着いたのを渡される。



わー、綺麗!!




私はこの黄色のにしようかなー。




そーっと水の中に入れて輪ゴムに引っ掛ける。




「・・・・・・・取れた!!やったー!!弘人取れたよ!!」



嬉しくて弘人の背中をバシバシ叩くと、弘人の糸が壊れてしまった。




「あっ!ごめん、弘人ー!!」




私がそう言うと弘人は肩を震わせ笑った。



「あはははは!!興奮し過ぎだから!!マジウケたーー!!めっちゃ真剣だったのに、パシャって落ちたっ!!」



口をおっきく開けて爆笑している弘人を見ていたら私まで笑えてきて一緒に笑った。



私は取った水風船を弘人に渡した。




「はい。これでチャラね?」



「はいはい。分かったよ。どうせ、いいって言っても受け取ってくれるまで引き下がらないし。」


< 62 / 176 >

この作品をシェア

pagetop