私が行かないでって言ったら、君はここにいてくれますか?
でも、私は話を続けた。



「・・・・私ね、馬鹿だから。諦め悪いから。・・・・・・・・今日も、大樹が私のことを見つけて声を掛けてくれるかな?って、恋のことを置いて、追いかけてくれるかな?って、思ってた。・・・・そんなことっ、あるわけないのに!!どうして?どうして恋なの!?って、思って。・・・・・悔しいっ。悔しいよっ!私の方が、絶対、絶対、大樹のことが好きなんだからっ!!」




泣きながら叫ぶ私。




弘人は何も言わずに話を聞いてくれた。




ごめんね。




でも、今の私は何も考えられないよ。




今は・・・・・・目の前の現実が受け止められない。



恋がこんなに苦しいなんて。



こんなに片思いが辛いなんて。



好きな人が好きな人と付き合うことが、こんなに悔しいなんて。



自分が想像していたより、何倍も苦しい。



私は弘人の浴衣を掴んで泣き続けた。



今まで泣けなかったのに、弘人の温もりを感じたら、涙が出てしまった。


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