私が行かないでって言ったら、君はここにいてくれますか?
私は浴衣を脱いで部屋着に着替えてお風呂に入る。




その間も頭はぼーっとしていて、夢かななんて思った。




でも、違うんだよ。




全部本当だ。




[恋と付き合うことになった!ありがとうな、志帆!!]




大樹が届いていたメッセージ。




部屋に来て届いたメッセージを全部見てみる。




恋からは、


[あのね、急になんだけど、大樹と付き合うことになったの!!自分でもびっくりなんだけど大樹のこと嫌いじゃないし、前から気になりつつあったからさ。志帆はどうだった??弘人君と上手くいった?後で返事ちょーだい!!]




そして、弘人からは、




[今日はいきなりごめん。でも、言ったことは全部本当だから。考えて欲しい。]





一気におきた出来事に、すぐ対処できるほど器用じゃない。




私は、何が正しいの?




大樹が恋と付き合っても、パッと忘れられるわけじゃない。



今だって大樹のことを考えると胸が苦しくなるくらい好きだし。



わたしはスマホをほおり投げてベッドに倒れた。




もう、寝て、全部忘れよう。




起きたらまた世界がかわるかもしれない。




そんな馬鹿なこと、また思って。




・・・・・・・・・・神様。





神様がもしいるのなら、




私を幸せにさせてください。




そう言いたい。




「・・・・・・・・・これ以上、私はどうしたらいいの?」




静かな部屋に私の声だけが聞こえる。




私は布団を頭から被って心臓の上に手を重ねた。




痛くて、痛くて、




この痛みがなくなるように、




ぎゅっと掴んだ。




起きたら、全部が嘘であってほしい。




やっぱりそう願わずにはいられなかった。



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