私が行かないでって言ったら、君はここにいてくれますか?
「じゃあさっき連絡したのまずかったな。」




「うん。そうだね。返信返ってこないし。」




2人でスマホを見ながら話している。




連絡した?




「・・・・・志帆に連絡したの?」




「うん。あっ!実は私達付き合うことになってさ!それをさっき志帆に知らせたんだけど、返事帰ってこなくてさー。」




笑いながら恋ちゃんが言う。




「俺も協力してくれてありがとうみたいなの送ったんだけど。でも、まぁ、そういうことなら仕方ねぇよな。」




何が、仕方ないだ。




ヘラヘラ笑っている2人にムカついて俺は大樹君に掴みかかった。




「志帆のこと何も知らないくせにヘラヘラ笑ってんじゃねーよ!!お前少しでも志帆の気持ち考えたことあんのかよ!?」




「ちょっ、弘人なんだよ!急に!!離せよ!!」




驚いて、大樹君が1歩後ずさる。



恋ちゃんは事態が上手くわかってないみたいで、驚いて今にも泣きそうになっている。



「お前らはいっつも志帆のこと頼ってるけど、志帆の話を1回でもまともに聞いたことあんのかよ!!どうせお前は恋ちゃん振り向かすことしか眼中になかったんだろーなー!恋ちゃんも、親友のくせに志帆の話真面目に聞いたことあんの!?何考えているか、親友なら知ってるんだろうね。知ってて、連絡したんだろっ!?・・・・・・それで本当に親友なのかよ!!」



俺はそれだけ言って甚平から手を離した。




大樹君も恋ちゃんも何も言わなかった。




というか、なんの事だか分からない。




そんな顔をしていた。




でも、それでも言ってやりたかった。




今までずっと志帆が感じていた苦しさを教えてやりたかった。




志帆が2人を大事に思っている大きさと2人には大きな差がある。




友達、親友、って言う割にお互いのことなんも知らねぇし、恋ちゃんは本当のこと志帆に話さないし。




俺にはずっと友情ごっこにしか見えなかった。


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