紳士的?その言葉、似合いません!



まぁ男の人から見たらプライドの高い女なんて嫌だろうけどね。わたしだって自分のプライドの高さと反比例して素直になれない自分に辟易することはある。


それでもこれがわたしなんだから仕方ない。それに嫌だなぁと思うことも多々だけどこのスタイルをやめようとは思わないし結構こんな自分も気に入っているのだ。天邪鬼なんですよ。


実際に分かれたあいつもわたしみたいな女よりも自分を頼って甘えてくれる女の子のほうがよかったみたいだし。あ、考えてたらまたふつふつと…


むかつくだけだしやめようあいつのことを考えるのは、と軽く頭を振って手の中のグラスをあおる。…あれ、話すり替わってないか?


と思ったけどどうやら変わってはいなかったらしい。



「そんな貴女とお付き合いしている人なら素晴らしい人だと思ったのですが。残念ながら違ったようですぇ」



やれやれとばかりに笑みを浮かべる都築さんの姿は相変わらず美麗である。だがこの見た目に騙されてはいけない。



「…なんでわたしの彼氏のこと知っているんですか?」



それこそわたしあなたに何も言ってないし覚えもないんですけど?!


地味に恐怖体験に震えているわたしに対して都築さんはやんわりと笑顔を浮かべて「元彼氏でしょう?」と律儀に言い直してくださった。


えぇまぁその通りですけど今それ関係なくありません?今は彼氏元彼氏よりなぜそれをあなたが知ってるんだということが第一ですよ!!





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