紳士的?その言葉、似合いません!
◇流され…てないから!
「体は大丈夫ですか?」
それをあなたが言いますか。
ジトっとした目を向けると都築さんはニッコリと笑顔を返してきた。この笑顔を紳士的だと捉えていた過去のわたしに言いたい。この人はただの変態であると。
あのあと呆気にとられて硬直したわたしの手を引いて都築さんはバーを出た。そのままわたしがどれだけ頑張って振り切ろうとしてもすべてその美麗な笑顔で黙殺。
何がどうなっているのか考えることを拒否したわたしを自宅まで拉致。そして有言実行とばかりに生き生きとした表情で服を剥いて組み敷いてきた。
もちろんわたしも流されてたまるかと奮闘しましたともえぇ。そこは譲れない。すごく頑張ったと思う。
だがしかし、男と女という体格差もさることながら与えられる快楽に流された…とは認めたくない。だって悔しいし。
とりあえず流された云々は一旦どこぞに置いておくとして、わたしは同じ職場の上司にあたる人と言うところによると一夜の過ちというものをしてしまったらしい。
果たして本当にこれが一夜の過ちと言えるのかは微妙なところとも言えるけど。(だって都築さんこれ狙ってたしどう考えても衝動的な犯行じゃなくて計画的なものだし!)