紳士的?その言葉、似合いません!
邪魔をするな絶対に帰る!と睨みつければ都築さんはクスクスと笑みをこぼして「そうですか」と言った。
…気味が悪いほどにあっさりである。何を企んでいるんだと思っても仕方がないはずだ。それぐらいこの人に対するイメージは変わった。
まぁ邪魔されなかったし気が変わってしまわないうちに先手必勝とばかりにベッドから降りようとするけどわたしは服を着ていないわけで。
いくら昨日見られたからと言ってこんな明るいところで晒すのはいくらなんでも恥ずかしい。三十路女にだって羞恥心ぐらいある。
「あの、」
「なんでしょう?」
「着替えたいので出て行ってもらえません?」
「私はそれを見たいので嫌ですねぇ」
「……」
このど変態が!!と言わなかったわたしを誰か褒めてほしい。
「昨日の羞恥に顔を染めながら反抗する貴女がとても愛らしかったものですから。それを堪能できる場面をみすみす逃すほど私は愚かではありませんよ」
「紳士にあるまじき発言ですね」
「紳士といえども惚れた女性の前ではただの男ですからねぇ」
……今この人さらっと何か重要な言わなかった?
「それに貴女の服も下着も洗濯中ですよ?まさか裸で外に出るわけにもいきませんし私の服を着て帰りますか?あぁ、それもいいですねぇ。そうとしてもあれだけ激しくしましたしまず立てるとも思えませんが」