紳士的?その言葉、似合いません!
試してみます?と小首を傾げる都築さんの顔めがけて全力で枕を放つ。痛みでうめいてほしかったが残念ながら直前で都築さんにキャッチされてしまった。ちっ。
帰るのを邪魔しないと思ったらまずそれをできない状況を作っていたとか策士である。くそ腹立たしい。しかも朝したのってそのためか!いつから考えてた変態!
怒りと悔しさでますますきつく睨み上げるが効いていないらしく都築さんはとてもとても楽しそうに笑っていらっしゃった。
「とりあえずこちらをどうぞ。その姿も大変扇情的で見ていて楽しいのですがこれ以上手を出すと貴女の体に負担をかけてしまいそうなので」
差し出されたのはわたしからしたら大き目のシャツで恐らく都築さんの私服だろう。変態のものを借りるのは後が怖いが背に腹は代えられない。
しぶしぶ受け取って頭からすっぽりとかぶった。(その際都築さんはその場にいたのでせめてもの抵抗で背中を向けてやった。ざまをみろ変態め)
そして案の定足腰に力が入らずに立てないわたしを都築さんは満足そうに見つめながら抱き上げて寝室から連れ出した。
え?抵抗?もちろんしましたけど聞こえていないかのように見事にスルーされましたが何か?これ以上心の傷をえぐるのはやめてくれ。