紳士的?その言葉、似合いません!
冗談抜きで慄くわたしに都築さんはクスクスと楽しそうに笑ってよしよしと頭を撫でる。
わたしはあれか?子どもですか?そんなあからさまに機嫌とるようなことしても怖いものは怖いし嫌なものは嫌なんだよ変態!
間髪入れずに叩き落とそうとしたがそれを察したのかすぐに手を引っ込めた都築さんに思わず舌打ちが漏れた。
「おやおや、さらにご機嫌を損ねてしまったようですね。では凛華(りんか)さんの好きなパンケーキでも作りましょうか」
「なんでそれも知ってるの?!てか名前!」
「あぁ、確かに私だけ貴女を名前で呼ぶのは不公平ですねぇ。遠慮せずに私のことも湊でいいですよ」
「違ううぅうぅぅっ!!!」
わたしが言いたいことはそうじゃねえぇぇ!!
プライドもかなぐり捨てて地団駄、は現実的に考えて踏めなかったためかわりにバンバンとソファに拳を叩きつける。
もうなんなの?!なんでこの人わたしのこといろいろ知ってるのわけ!?どこ情報じゃおどれぇ!!
ってそうでもない!今言いたいのはなんでわたしの名前を呼ぶんだわたしあなたとそんなフレンドリーな関係じゃなかったんですけどぉ?!
「おや、ですが深い仲にはなったでしょう?忘れたのなら思い出して差し上げましょうか?」
「全然覚えてますけど!そうじゃなくて!」