紳士的?その言葉、似合いません!



わたしの言いたいことをここにいる人以外なら察してくれると信じている。だがこの変態には無理だと早々に諦めた。放棄した。


黙々と無言で用意された食事を口に運ぶ。この変態、仕事と見た目もさることながら料理の腕もいいらしい。ハイスペック滅びろ。


綺麗に焼けた薄いパンケーキに新鮮な野菜のサラダ、ぷるぷるなたまごが眩しいベーコンエッグ、パリッとした香ばしいソーセージ、じゃがいもの温かいポタージュスープ。


作った人がどんな人だろうと食べ物に罪はない。そう、たとえ作った人がわたしの理解を超えた変態だろうともおいしいごはんに罪はないのだ。


内心では「何これおいしい!」とわたしの好みどストライクの味付けに悶えながらもそれを表に出すのはなんとなく悔しいので仏頂面をキープしたままもぐもぐとごはんを食べた。


その間、変た…ごほん。都築さんといえばまぁこの人も同じものを食べていたんだけどどことなくいつもより笑顔割り増しでわたしを見ていた。見物料とるぞこの野郎。



「ご馳走さまでした」


「美味しかったみたいで何よりです」


「………」



もはや突っ込むまい。なぜわかったとか突っ込んだらそれ墓穴だもんね!沈黙は金なり!まさにその通り!




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