紳士的?その言葉、似合いません!



突っ込みたいところは多々あるが結局のところわなわなと震えるだけで言葉にはならなかった。


だってわたしが今ここでどれだけ懇切丁寧に言葉を尽くして力説したところでこの状況は変わらない。悲しいことに断言できる。というのもこの状況を作ったのが都築さんだからだ。それ以外の理由はない。


あの見方によれば美麗な笑みが麗しい白皙の美青年がこんなに回りくどくかつ計画的なまでにガッチリ外堀を埋めてくるのは…見た目も合間ってえげつない。


世の中のどれぐらいの人がこの本性を知っているのだろうか。はっきり言ってこれは詐欺である。全くもっていやらしい。



「ま、どういう経緯かは知らないけどいいんじゃない?意外とお似合いだと思うわよ?」


「と言われても…」



あまりの急展開に心がついていってなくて、でもほぼ無理矢理と言っても過言ではない与えられたぬくもりに困惑しかない。


でも、そう。抱くのは困惑だけで自分でも不思議に思うほど嫌悪とか不快さはなくて…だから余計にどうすればいいのかわからなくなる。


そんな複雑極まりない感情が顔に出ていたのか先輩はそんなわたしを見て面白そうに笑っていた。



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