紳士的?その言葉、似合いません!
何も悪いことはしていないのになんとなくこそこそしてしまうのは隠し事があって後ろめたいからだろうか。あぁ早く仕事終われ…!
内心そんなことを思いながら任された仕事を淡々とこなす。現在の自分が冷静でないことは重々承知なので二重チェックは忘れずに。
都合のいいことに明日は仕事休みだし、と、とりあえずは病院に行こう…
そっと自分のお腹を触る。ぺったんこで何も変わらないけどここに新しい命が宿っているのかもしれないと思うと不思議な感じ。
そしてその親のことを考えると怖い。何が怖いってバレたときにあの笑顔で有言実行とばかりに行動しそうな都築さんが怖い。恐ろしい以外に言葉なんてない。
半年間、付き合って…はないのか?まぁ婚約者だなんだと言われてきたけど(あくまで噂でね)実際にわたしと都築さんの間では付き合おうとか話した記憶はないので付き合ってはないのだろう。
それでも都築さんはわたしのことを好きだと会うたびに言ったりデートをしたり、まぁそういうことをしたりもしてて…
こんな自分が好かれるわけがないって不安だった。けど今はその不安もだいぶ軽減しているんじゃないかなとは思う。
素直になれないわたしのことも好きだと言ってくれる都築さんはどんなときだって甘すぎるんじゃないかってぐらいにわたしを甘やかしてくれるから。