紳士的?その言葉、似合いません!



「凛華さん?」


「あ、いえ…きょ、今日は先輩に飲みに誘われまして…」



つらつらとそんなことを考えながらも頭の一部ではどうすれば都築さんとの面会を避けられるのか熟考。結果、さっきは断ったが先輩の飲みに参加ということで都築さんを回避することに決めた。


先輩、さっきは断っておいてダシに使って申し訳ありません。しかして都築さんと顔を合わせるよりはまだ先輩にあれこれ搾り取られる方がマシというものである。


ついで明日も予定があると言えば今日明日の安全は確保されるだろう。うん、嘘でもないし。イケる気がする。



「そうですか、それならば仕方がありませんねぇ」



残念です、と言う都築さんにこちらは助かったと思いながらこれ以上話してボロが出るのも嫌なので呼ばれているからと早々に電話を切らせていただいた。


とりあえずの危機は去った。さて……



「付き合ってもらうわよ?」


「……はい」



ニッコリと笑顔を浮かべる先輩にあぁ言ってしまった手前今さら逆らえるわけもなく、わたしは遠い目をしながらもコクリと素直に頷いた。





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