紳士的?その言葉、似合いません!
必要な処置として少し小洒落た創作居酒屋の個室をその場で予約して先輩と一緒に会社を出る。曜日的に取れないかもと不安だったけど運がよかった。
行きにも何があったのか問い詰められるだろうかと思ったけど他愛もない会話だけでホッとしたやら不安やら…これは絶対に2人きりになった途端に尋問のオンパレードだ。
予想通りというかなんというか、お互いとりあえず飲み物とちょっとしたおつまみを注文してから先輩は「さて、」とわたしにニヤリと笑いかけた。先輩、怖いです。
「で?何があったわけ?」
「いやぁ、何があったと言いますか…」
あははと自分でも誤魔化せてないと思える乾いた笑みを落としつつ頼んだ烏龍茶をちびちびと口に運ぶ。
というか先輩、「何かあった」ではなく「何があった」って言ってる時点で何かしらを察してますよね。そういうところ仕事では気配りできてすごいって素直に尊敬できますけど今の状況だと厄介極まりないです。
うーん、と全て話すかどうか悩んだもののそんなに時間をかけることなく「実は、」とわたしは現在抱えている問題(恐らくは確定だけど仮)について話した。
まだ結婚とかしてないけど年上の意見って大切だと思うし。それに先輩ならそう簡単に都築さんにチクったりすることもないだろう。